2009年11月1日(日) 於:恵那市役所
電車に乗れば靴をぬいでシートに膝立ちになり、窓にしがみついて流れる景色に目を見張る。こんなことをするのは子どもだけなのでしょうか?
いやちがいます。普段窓の外など見ない貴方。岐阜県恵那市の明知鉄道にご乗車ください。靴は履いたままでも、窓にへばりつきたくなります。そんな素敵な車窓風景が楽しめる明知鉄道ですが、ローカル線の宿命か、乗客は減少し、人々の日常生活とはどんどん離れています。また眺められる地域の風景のほうも、車窓からの熱い視線を感じなくなったせいでしょうか、元気がありません。
岐阜県恵那市は、現在「まちの将来ビジョンをビジュアルに表現したもの」としての景観計画策定に取り組んでいます。その中の一つの鍵となるのが市の南半分を貫ぬく明知鉄道です。自立心の強い個性あるまちをつなぐ鉄道を活かして、合併後の地域イメージの再構築と地域間連携を強化していこうと考えています。そのためには、鉄道から見る風景、鉄道を見る風景、この双方のまなざしを丁寧に考える必要があります。
この度のWSでは、明知鉄道周辺風景についての学生および地域住民の様々な認識や思いに関するデータを提示しながら、パネリストの方々にも明知鉄道にご乗車いただき、明知鉄道および日本各地に存在するローカル線の移動風景を活かした地域マネジメントの方向性を探っていきます。