研究室説明会の日程(対面で行います)

4月13日(水)12:20~12:50 | 4月18日(月)12:20~12:50 @1114号室(11F)


今、都市工学科/都市工学専攻で交通を研究する意義は何でしょうか。

これまでになく人と人とが繋がり合う時代。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、Uber・LyftなどのTransportation Network Companies、Mobility as a Service、自動運転といった革命的技術の先例なき発展。交通は近年、工学や都市計画の中で最も急激に変化を遂げている分野の1つです。

これらは近い未来に我々の生活を劇的に変えるかもしれません。その変化とはどのようなもので、私たちに何をもたらすのでしょうか。少子高齢化や人口減少の中で暮らしやすいまちを実現し、環境問題などの課題に立ち向かうために、在来の交通技術や交通計画の技法とともに、新しい技術をどう活かせばよいのでしょうか。

都市や社会の課題を解決し、まちがめざす価値を実現するうえで、交通の計画がなすべき貢献は多大なはずです。都市交通研究室では、人の繋がりや移動・活動を切り口としてその答えを探りながら、研究を進めています。

なぜ交通研?

①都市と交通のあるべき姿を追求したい

まちの目標を実現するための都市と交通のかたちとしくみについて、定量的な分析を踏まえて検討しています。そこに交通が関連する限り、我々が対象とするのは狭い意味での“交通”施策にとどまりません。

主な研究テーマ

  • 公共の交通システム/Public Mobilityの評価と計画手法
  • 統合モビリティサービスの計画・設計手法とその実践
  • 自動車に過度に頼らず人の生活を支える都市空間構造の評価と計画手法
  • マルチスケール物的環境評価「歩行環境・住環境等」
  • 新しいモビリティサービスや自動運転が都市と交通に与える影響の評価

②人のアクティビティと行動をより深く理解したい

計画や施策を適切に組み立てるうえで、人が何を考え、行動をどう決定し実行しているのかを理解することは重要です。当研究室では活動と交通行動の調査・分析を通じてこのテーマに取り組んでいます。

主な研究テーマ

  • 災害時の避難行動分析と避難所配分計画
  • 物的環境・モビリティ手段保有と交通行動への影響
  • Shared mobilityと交通行動への影響
  • 社会的ネットワークと交通行動への影響
  • ソーシャルインタラクションと移動・活動パターンの分析
  • 新型コロナウイルスへの対応に伴う交通行動変化の分析(余暇活動のオンライン化、テレワーク等)

③よりよい都市交通計画とその実践のあり方を考えたい

総合的な都市交通計画のよりよいあり方を求めて、国内外の先進的な制度・計画・実施事例の収集と蓄積を行っています。交通と土地利用の統合的計画の立案と実施の有り様に、特に関心を持っています。

主な研究テーマ

  • 「まち」の目標に貢献する都市交通計画を支える制度・政策・計画事例
  • 新しいモビリティと自動運転の時代に備えた都市交通計画の事例研究

④専門知識以外で身に付けることのできるスキル

プログラミング、データマイニング、ビッグデータ分析、質的分析・量的分析、おまけで国際コミュニケーションと英語。


先輩たちの声

“私が都市交通研究室を選択した理由は、自分で研究テーマを決め、そのテーマにとことん向き合うことができる環境に魅力を感じたからです。都市の中に無数に存在する課題の中から、自分が何を明らかにしたいのかを考える。その際、最も大事になってくるのは、「なぜそのテーマに取り組むのか」について自分自身で考えることです。その答えは誰かから与えられるものではありません。自分の頭で考え、悩み、そして議論をしていくなかで、だんだんと頭の中で整理されていき、最終的に自分なりの一つの答えになっていくものだと思います。しっかり悩み抜いたからこそ、そのテーマに強い意志をもって取り組めると思うし、また先生方もそのテーマに対して全力で向き合ってくださるのだと思います。都市交通研究室は「自分は何を研究したいのか」をとことん考えたいという強い思いを持っている方を待っています。”

田村祐貴(2020年修士課程修了)